国立大学法人等監事協議会

ごあいさつ

顔写真 国立大学法人等監事協議会会長
国立大学法人広島大学監事   野上智行

 国立大学法人等監事協議会は、現在、国立大学法人86大学、大学共同利用機関法人4機構の監事で構成されています。その設立は、国立大学法人法の施行に伴って平成16年4月に発足した国立大学法人(当時、89法人)及び大学共同利用機関法人(4法人)の各法人に文部科学大臣任命による監事職が設けられたことに始まります。第1回の国立大学法人等監事協議会総会(設立総会)は、法人がスタートした平成16年の10月に遡ります。

 国立大学法人法で、「監事は、国立大学法人(大学共同利用機関法人)の業務を監査する。」「監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、学長(機構長)又は文部科学大臣に意見を提出することができる。」とされました。法人発足時の監査実務は、事実上それぞれの監事の創意工夫にゆだねられておりましたが、監事は、国民の負託を受けた独立の機関としての国立大学法人等の健全な発展に資するため、監事監査の有効性、妥当性の向上に努めなければならない立場にあります。このことから、監事協議会として、会計監査、業務監査、業務効率化を検討するためのタスクフォースを設置し、平成19年11月の第4回総会で「国立大学法人等の監事の職務に関する基本的な考え方」「監事監査に関する参考指針」「監事業務監査の視点と項目」「監事監査制度の改善に向けた提案」として取りまとめました。その後も、国立大学法人等の業務監査に関するプラットフォームとなる監査基準及び内部統制システムに係る監査の実施基準を策定すべきだとし、平成24年1月に「監事監査に関する参考指針」を策定しました。

 大学を取り巻く環境の急速な変化や大学に対する社会からの期待は法人化以降、更に高まり、中央教育審議会大学分科会で大学のガバナンス改革の推進が審議され、これを受けて平成27年4月、学校教育法及び国立大学法人法、独立行政法人通則法等の法令の一部改正が行われ、施行されました。この制度改正により、監査報告記載事項が省令上に規定されることとなり、文部科学大臣宛てに提出する書類の監事の調査義務等、監事監査に関する様々な規定が法律上盛り込まれるなど、監事の役割の強化が求められました。このような新たな環境に鑑み、監事協議会は平成24年に策定した「監事監査に関する参考指針」の体系的整理を行って、平成27年11月に、現在の監事監査業務の指針となっている『監事監査に関する指針』を策定しました。この指針は、「各法人固有の監査環境も配慮して、この『指針』を適宜利用し、各法人の自主性、自律性に基づいて、監査の実効性の確保に努められるよう期待」されたものであり、「国立大学法人等業務の監査は、法人の組織体としての健全性を確保するためのものであると同時に、国立大学法人等の使命である教育研究等の活性化を支援し、我が国の高等教育機関としての大学の質の維持・向上に資すること等を目的として行うものである。この基本姿勢は是非とも堅持しなければならない。」としています。

 これまでも多様な歴史と固有の個性を持つそれぞれの法人は懸命な経営努力を重ねてきましたが、大学を取り巻く国内外の環境の変化は留まることはなく、各法人にはそれぞれの機能の更なる強化が求められています。監事職は国立大学等が法人化したことで必須とされた役職であり、監事には、法人化の目的として掲げられた「自律的な環境の下で、優れた教育や特色ある研究に積極的に取り組む、より個性豊かな魅力ある国立大学を実現すること」においてその役割を果たさねばならない責務があります。国立大学法人等監事協議会は多様な専門能力を有する監事の連携によって監事機能を強化するための「研究会」を設けるなど、今後も監事相互の連携と研鑽を重ね、国立大学法人等が国民の負託に応えることのできるガバナンスを実現できるよう一層努力していく所存です。皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。